N700系に乗ると酔う

投稿者: | 2016年3月10日

普段乗り物に酔わなくても、新幹線に乗ると酔うことはありませんか?

筆者はN700系に乗ると決まって乗り物酔いを起こして、降りた時には気分が悪くなっています。その原因と酔う列車についてつらつらと書いてみます。

なぜN700系に乗ると酔うのか?

N700系には、東海道新幹線の曲線通過速度を向上するために空気ばね式車体傾斜装置が搭載されています。どうやらこの装置の存在が乗り物酔いの原因のようです。

空気ばね式車体傾斜装置

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空気ばね式車体傾斜装置の簡単な構造を上図に示しました。列車が曲線に差し掛かると、台車と車体の間にあるクッションの役割を果たす空気ばねを伸縮させ、車体を曲線の内側に傾斜させます(新幹線での傾斜角度は1°)。すると列車の重心が曲線の内側に寄るので、遠心力が打ち消され曲線を高速走行できるようになります。いわゆる振り子式車両の一種ですが、傾斜角度を減らして走行性能を抑えた代わりに特殊な機構を装備せずに実現できることが特徴です。

曲線を高速走行して所要時間の短縮につながるこの装置ですが、欠点として乗り物酔いを起こしやすいと言われています。しかし、鉄道総研の研究によると振り子式車両自体が乗り物酔いの原因ではなく、列車が左右に揺れる0.25~0.315Hzの低周波振動が原因であるようです。非振り子式車両は周波数が1Hz以上の領域での振動が大きいのに対し、振り子式車両1Hz以下の領域での振動が大きいため、乗り物酔いを起こしてしまうようです。

この低周波振動は曲線形状と列車傾斜の不一致や軌道の不整によるローリングが原因となって発生すると言われており、振り子式車両の導入当初と比べて改善はされたものの完全には解消されていないのが現状です。

ちなみに筆者はフルスペックの振り子式車両に乗っても酔わず、車体傾斜装置を搭載した車両に乗った時のみ乗り物酔いを起こす、よくわからない体質を持っています。何故でしょうか?

対策

酔い止めを飲んでおく、睡眠をしっかり取る、本や携帯を見ないで遠くの景色を見るようにするなどの普通の乗り物酔い対策で十分だと思います。これでも酔う人は酔うので、車体傾斜装置を搭載する新幹線を避けるというのも手です。

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新幹線はどの列車にどの車両が使われているかは予め決められており、時刻表に掲載されています。これを参照すれば、車体傾斜装置のない新幹線を選んで乗ることができます。Webでも駅探で閲覧できる時刻表には掲載されています。いい時代になりましたね。

車体傾斜装置を搭載する新幹線

東海道新幹線・山陽新幹線・東北新幹線・北海道新幹線(2016/3/26開業予定)・秋田新幹線では車体傾斜装置搭載車が使われています。九州新幹線・上越新幹線・北陸新幹線・山形新幹線では車体傾斜装置搭載車が使われていません

N700系(16両編成のみ)

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東海道新幹線ではお馴染みのN700系です。全ての定期「のぞみ」と臨時「のぞみ」の一部、「ひかり」「こだま」の一部に使われています。車体傾斜装置を曲線通過速度の向上のために使っているのは東海道新幹線だけですが、山陽新幹線でも乗り心地向上のために傾斜角度0°で装置を使っています。

臨時「のぞみ」と「ひかり」「こだま」の一部に使われている700系には車体傾斜装置は付いていませんが、2020年頃に700系は全廃される予定です。山陽新幹線・九州新幹線を走る8両編成のN700系や、山陽新幹線のみを走る500系にも車体傾斜装置は付いていません。

E5系

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「はやぶさ」の全列車のほか、「はやて」「やまびこ」「なすの」の一部にも使用されます。

E5系の他に東北新幹線を走行するE2系やE3系には車体傾斜装置は付いていません。

E6系

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「こまち」の全列車のほか、「はやぶさ」「やまびこ」「なすの」の増結用として一部列車に運用されます。「こまち」の秋田新幹線区間(正確には在来線区間となる盛岡~秋田)では車体傾斜装置を使用しません。