歪んだ視点での新入生向けノートPCの選び方

投稿者: | 2015年2月23日

DSC_0403

(国公立大受験組はまだ入試が控えていますが、)そろそろ進学の時期になってきました。大学生になると自分でノートPCを持つ人が多いですが、その際の選び方を大学院生が適当に書き殴ってみました。

Macは対比しての評価ができないので書いてません。あくまでDOS/VノートPCのみでの話です。

この記事を読んで質問等ありましたら、遠慮なく筆者(@nnm_t)までリプライ飛ばして下さい。答えられる範囲で回答します。

選び方のポイント

生協モデルは悪くない

このクソ長い記事を読むのが面倒臭いそこの諸君、生協モデルを買おう。

営業が強いのかどうかは知らないですが、生協モデルはたいていLet’s noteかFMV LIFEBOOKです。それなりの性能にOfficeと4年間の動産保証(落としたり濡らしても保証対象になるアレ)が付いて20万円以内が相場と、実売の価格と比べても結構安いです。

「生協モデルじゃ妥協できない」「他人と同じPCは持ちたくない」「もっと安くしたい」という物好きな諸君は、どうぞ読み進めて下さい。

持ち運べる大きさを選ぼう

大学には学生が使えるPCが用意されているとはいえ、講義や実験、プレゼンなどでPCを持ち運ぶ機会は多いです。

15インチで2kg以上もあるA4ノートでは持ち運びに苦労するので、11~13インチで2kg以下のB5ノートの方が適しています。ここで11~13インチと一括りしましたが、この中でも大きさに対して一長一短があります。

サイズ 長所 短所
11インチ 最も小型安価な製品が多い キーボードの幅が狭く重量が重い
12インチ キーボードの幅が広いA4の鞄に収まる最大のサイズ 製品数が少ない高価な製品が多い
13インチ 製品数が多いキーボードの幅が広い 製品によってはA4の鞄に入らない

また、持ち運びの多さを考えるとなるべく頑丈な設計のPCが良いです。米軍のMIL規格(MIL-STD-810G)をクリアしたPCなら、机から落とした程度ではびくともしません。

最近はタブレットとしての2-in-1も流行っていますが、メモリの増設が困難で、放熱設計に問題のある製品も少なくないので、わかっている人以外は手を出さない方が賢明です。

Windows 8とWindows 7、どっちが良い?

どちらもWindows 10の発売から1年間は無償でアップグレードが行える発表が出たので正直あまり気にしなくて良くなったのですが、拘りがなければサポート期限が長く、レスポンスの速いWindows 8で良いと思います。UIの違いなんて1週間程度で慣れます。

なお、Windows 8 Proのダウングレード権を用いてWindows 7にしているPCでは、32bit版が搭載されている場合があります。その場合、4GB以上のメモリを積んでいても約3GBを残して余りは肥やしになるので注意して下さい。

Officeはついていない方が良い

この見出しを見て、「え?」と思う人は多いかもしれません。大学ではOffice(Word, Excel, PowerPoint)は当然の如く使います。では何故Officeがない方が良いのか? これはOfficeのライセンス形態によるものです。

学生にはアカデミック版がある

学生の身分であれば、4万円近くするProfessionalと同等の内容が2万3千円になる、アカデミック版を購入できます。これはパッケージ製品にあたるので、1本で2台までインストールが可能なほか、PCを買い替えても使い続けることができます。

アカデミック版は卒業したら使えなくなるということはなく、購入済の製品はそのまま使い続けることができます。

買い替えに不便なプリインストール版

PC購入時に付いてくるOfficeはプリインストール版というもので、そのPCでしか使えないという制限があります。PCを買い替えてもOfficeを移せないというわけです。また、付いてくるOfficeがPersonalだとPowerPointがない点には注意して下さい。

ちなみに、カスタマイズでOfficeを付けた場合はPersonalが1万5千円、Home and Businessは2万円が相場です。アカデミック版とどちらがお得か…言うまでもありませんね。

スペックの選び方

CPUはなるべく第5世代Core(以下Broadwell)を選ぼう

Broadwellは2014年9月にCore Mが、2015年1月にモバイル向けCore i7/i5/i3が発表されました。先代の第4世代Core(以下Haswell)より性能と消費電力が改善されてるので、これを選ばない手はありません。

BroadwellかHaswellかは、CPUの型番であるプロセッサ・ナンバーの4桁の数字で見分けられます。Core i7/i5/i3では、4桁の数字のうち千の位が”5″の型番がBroadwell、”4″がHaswellです。

CPUは性能だけではなく消費電力とのバランスが大事

ノートPCでは持ち運んでバッテリで駆動させるという使い方をします。当然ですが、いくら性能が良くてもバッテリがすぐ切れるようでは使い物になりません。消費電力の少ないCPUを選びたいものです。

消費電力を低く抑えると性能が控えめになるので、高いスペックを要求する3Dゲーム等は向きません。そもそもノートPCに高いスペックを要求するのが可搬性を要求することと相反しており、ゲームはデスクトップPCでやるのが賢明です。

Intelのモバイル用CPUではCore M、Core i7、Core i5、Core i3、Pentium、Celeron、Atomの7種類が存在します。区分けは次の通り。

価格 性能 消費電力 製品 特徴
Core i7 最高性能のCPUで、クアッドコア(4コア)の製品も存在する。それ故消費電力が大きく、Core i5以下と比べてバッテリの消費は速い。
Core i5 中間にあたるCPUで、これ以上の製品は使い方に応じて性能を引き上げるTurbo Boostを備える。性能と消費電力のバランスが良い。
Core i3 下位にあたるのCPUで、これ以上の製品は1コアで2つの処理を行えるHyper-Threadingを備える。デスクトップ用と違いモバイル用は棲み分けが中途半端なので、価格差が少なければCore i5の方が良い。
Pentium 廉価版CPUの一つ。Celeronより性能が良いが、搭載PCをあまり見かけない。Atomベースの製品もある。
Celeron 廉価版CPUの一つ。最安クラスのPCに搭載される。Atomベースの製品もある。
Atom 元々はネットブック用の安価なCPUで、最近はタブレットに搭載されることが多い。ノートPCではCeleronやPentiumの名前で搭載される。
  • Core Mは2-in-1向けのやや特殊なCPUで、Core i3とCore i5の間の性能ながらもAtomに毛が生えた程度の消費電力なのが特徴です。ただし、搭載PCは軒並み高価です。

同じ設計、同じTDP(放熱設計の基準とする消費電力)、同じコア数であれば、動作クロック(何GHzってやつ)が高いCPUほど性能が高いです。細かい話を差っ引くと、早い話がプロセッサ・ナンバーの数字が大きいCPUほど高性能で電気食いです。

Core Mを除く、Intelのモバイル用CPUのプロセッサ・ナンバーの末尾には英字1文字がついており、これが消費電力などを意味しています。

性能 消費電力 型番 特徴
HQ/MQ クアッドコアモバイル用。性能は高いが4コア故にそれを発揮できる用途は多くなく、消費電力も大きいのでこれを選ぶならデスクトップPCの方が良い。
M デュアルコア高性能モバイル用。性能は高いが消費電力は大きい。
U デュアルコア省電力モバイル用。消費電力が小さいが性能は控えめ。
N AtomベースのCPU。消費電力は最も小さいが性能が低く、Office程度では十分だがそれ以上の用途には不向き。

これらの表で整理する限りでは、消費電力の型番がUのCPUがB5ノートには適任ではないかと思います。

メモリは8GB積んでしまおう

memory

正直言って4GBもあれば普段使いには困りません。とはいえUltrabookや2-in-1では増設できない製品が多く、円安でメモリの値段もどんどん上がっているので8GB積んじゃって下さい。Adobeのソフトを使う人とかはガン盛りして下さい。

SSDは絶対に積んでおきたい

ssd

最近は知名度も上がってきましたが、SSDというのはUSBメモリを大きくしたようなもので、フラッシュメモリをHDDの代わりに使えるようにした記憶媒体です。

使うとよくわかりますが、めちゃくちゃ速いです。HDDが遅すぎて使えなくなるくらい速いです。Windows 8と併用すると鬼に金棒で、ものの数秒で起動します。CPUに予算をつぎ込むより、SSDに使うが速度は上がります。

ただし欠点があり、容量に対して価格が高いです。128GBでは整理しながら使わないと厳しいので256GBがベストですが、これでも単体で1万円強はします。ノートPCではカスタマイズでの搭載がセオリーですが、その場合はもっと高くつきます。

液晶解像度はどれくらいが良い? タッチパネルは必要?

解像度とは、画面を表示する「点」を表します。解像度が大きいほど、物理的な大きさが同じでも画面を広く使えます。ノートPCで使われる主な解像度は次の通り。

広さ 呼称 解像度
広い 4K 3840×2160
WQHD 2560×1440
フルHD 1920×1080
HD+ 1600×900
狭い HD 1366×768

持ち運ぶB5ノートではフルHD~HDあたりが主流で、最近になりWQHDあたりの解像度が出始めてきました。解像度の好みは人によってかなり差があるので、実機で確認することをお勧めします。

最近はタッチパネル搭載PCが増えてきましたが、Windowsストアアプリの数が多くないこと、アプリでない通常のソフトウェアではあまり使い勝手が良くないこともあり、無理してタッチパネルを選ぶ必要はありません。

光沢液晶か、非光沢液晶か?

家電量販店では発色が綺麗に見える光沢液晶のPCが多数売られていますが、レポート作成などの作業をするなら非光沢液晶一択です。非光沢液晶は映り込みが少なく、生産性が高いと言えます。映像を見るなら光沢液晶の方が綺麗ですが。

VGA端子とLAN端子は必要

大学では、講義や研究でプレゼンテーションを行う機会が多く、その度にPCをプロジェクタに接続します。最近はHDMI対応のプロジェクタも増えてきましたが、VGA接続のみのプロジェクタもまだまだ多いです。変換コネクタを持ち歩けばどうってことはないのですが、VGA端子を装備したPCは直接繋がるので面倒臭くありません。

また、旅行先で宿泊するホテルでは有線LANでのインターネット回線が用意されていることが多いので、LAN端子があると便利です。最近は無線LANを整備したホテルも多くなりましたが、電波が弱く速度が出ないことが少なくないです。

光学ドライブは必ずしも必要か?

「光学ドライブ搭載がいい」という意見は多いですが、実際問題使用頻度は高いですか? 少なくとも出先での使い道は考えられますか? と私は言っています。

外付けのドライブを必要に応じて接続すれば良いと思います。DVDスーパーマルチドライブは3000円程度で購入できますし、PCを買い替えても使いまわせます。

独断と偏見にまみれたおすすめPC

「薀蓄はいいから早くおすすめ教えろ」って言われそうなので、そろそろ紹介します。紹介する機種は、すべて下記の条件を満たしています。

  • 12インチ非光沢液晶
  • 1.5kg未満
  • VGA端子・LAN端子搭載
  • SSD選択可能
  • バッテリ取り外し可能
  • 落としても壊れない頑丈な設計

Amazonへのリンクを貼っていますが筆者へのアフィリエイトはないです。

Panasonic Let’s note SX4 (初心者~中級者向け)

ご存知パナソニックのLet’s noteのスタンダードな製品です。3機種の中では唯一光学ドライブを搭載しています。

  • ○ バッテリ持続時間が長い
  • ○ 液晶解像度がHD+(1600×900)と広すぎず狭すぎず
  • ○ 最近のノートPCでは珍しくキーボードがアイソレーションタイプではなく、キーストロークが2mmと深い
  • ○ 製品にもよるが、メモリを最大12~16GB搭載可能
  • ○ HDMI端子を標準搭載。テレビに直接繋げられる
  • ○ ビジネスノートでは珍しくカラバリ(シルバー・ブラック)がある。直販では天板の色を変更可能
  • ○ 大手電機メーカーなのでサポートは良好
  • × 頑丈とはいえMIL規格はクリアしていない(TOUGHBOOKはクリア)
  • × キーピッチが16.8mmと狭く、光学ドライブ搭載のために縦幅も狭い
  • × 価格が高い
  • × Core i5にSSD搭載モデルが存在せず、カスタマイズでも不可能
  • × パーツ交換を想定しておらず、分解が難しい。HDD交換などのために分解すると保証がなくなる

下記2機種と比べて販売店が多く、比較的簡単に手に入ります。直販は割高感があるので、量販店で値切って買ってしまうのが良いでしょう。

Lenovo ThinkPad X250 (中級者~上級者向け)

Lenovo ThinkPad X240 (Core i5-4300U 1.9GHz/メモリ 4GB/SSD 128GB /Win7 Pro (Win8.1 Pro 64bit ダウングレード権行使)/12.5インチ) 20AMA14HJP

(X250は未発売なのでAmazonへのリンクはX240です。購入の際は要注意)

Let’s noteと双璧を成すビジネスノートPC、ThinkPadの最新モデルです。X250ではトラックポイントのクリックボタンが復活しました。

  • ○ 以前ほどではないが、キーボードの完成度は極めて高い。キーピッチは19mm、キーストロークは1.8mm
  • ○ MIL規格をクリアするほど頑丈。そのためThinkPadユーザはケースを使わず直接鞄に入れて持ち運ぶ
  • ○ フルHD液晶を選択可能。タッチパネルを付加することも可能
  • ○ トラックポイント(いわゆる赤ポチ)搭載。最初は取っ付きにくいが慣れると高い中毒性があり、マウスを持ち歩かなくなる
  • ○ カスタマイズの幅が広い。CPUはi3からi7まで、ストレージから無線LANカードまで選べる。
  • ○ 分解マニュアルが公開されており、多少の分解では保証がなくならない。自分でメモリやHDDを交換して安く上げることも可能
  • × 大容量バッテリを使わないと駆動時間は短め。3セル+3セルでは実測6時間程度
  • × メモリスロットが1本しかない。現状では16GB搭載できない
  • × HDMI端子がなく、mini DisplayPort端子から変換する必要がある
  • × カラバリは一切ない。つや消しの黒のみ
  • × サポートは貧弱。使い方等の質問は購入後30日を過ぎると有料になる

直販で購入する場合は、カスタマイズでフロントバッテリを搭載することを強くお勧めします。よく値段が変わりますが、SSD搭載モデルが安くなっている時に買うのが良いでしょう。店頭では駅前型の家電量販店で時折見かけますが、基本的に注文販売になります。

HP Elitebook 820 G1 (中級者~上級者向け)

(Amazonに出回ってなかったので画像ありません。ゆるして)

上記2機が有名なので地味ですが、HPにも同様のビジネスノートがあります。法人モデルではありますが、個人でも購入可能なようです。

  • ○ 実はこの製品もMIL規格をクリアしており、頑丈な設計
  • ○ ThinkPad以外では珍しいポイントスティック搭載。ただしThinkPadにある中央ボタンはない。
  • ○ キーボードのキーピッチは19mmと十分な広さがある
  • ○ 裏蓋をネジなしで取り外すことが可能で、HDDやメモリを簡単に交換できる
  • ○ メモリスロットは2本あるので16GB搭載可能
  • ○ ThinkPadほどではないがカスタマイズの幅は狭くない
  • × CPUがBroadwellではなくHaswell。新モデルの発表は何時になるのだろうか
  • × キーストロークが1.5~1.7mmと浅く、打鍵感がない
  • × HDMI端子はなく、DisplayPort端子から変換する
  • × バッテリでの駆動時間は短い。大容量バッテリを搭載しても実測で6時間持たないのでは
  • × 例によってカラバリは一切ない

法人モデルということもあり、店頭販売は滅多に見ない(新宿東口のビックロではあった)です。基本的に直販での注文になると思いますが、Lenovoと違い値段は変わりにくいようです。